被保険者に対しての健康保険の給付は、病院に行った際に保険証を提示することにより受けられる「療養の給付」の他にも様々なものがありますが、意外に知られていません。それにも関わらず、これらの給付は請求をしないと受けられません。
毎月高い保険料を納めているのですから、どのような給付があるかは是非知っておきたいものです。今回は出産に関しての給付「出産手当金」「出産育児一時金」(ともに政管健保)についておおまかな内容をお話しします。
◎出産手当金
- 出産の日(実際の出産が予定日後の場合は出産の予定日)以前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)から、出産の日の翌日以後56日目までの範囲内で会社を休んだ期間に支給されるものです。予定日より遅れた場合は、その遅れた分についても支給されます。
- 支給額は一日につき標準報酬日額の6割に相当する額ですが、休んだ期間について事業主から報酬を受けられる場合はその報酬の額を控除した額となります。(平成19年4月より標準報酬日額の3分の2相当額へ変更予定。)
◎出産育児一時金
- 法改正により、10月から出産育児一時金の額が35万円となりました(胎児分×35万円)。また、被扶養者が出産した場合にも「家族出産育児一時金」として同様の給付があります。ただし、給付を受けるのはあくまで被保険者であるため、被保険者が死亡した後の出産や被保険者が会社を辞めた後の家族の出産については支給されません。
※10月より、一時金の支給方法について、医療機関等を一時金の受取代理人とし、窓口で支払う際に出産費用の負担を軽減できることになりました。(出産予定日まで1ヶ月以内の被保険者・被扶養者による事前申請が必要です。)
※これらの給付の「出産」とは、妊娠4ヶ月以上(妊娠85日以上)の出産を言います(死産・流産・人工妊娠中絶を含む)
(※健康保険についてはこれから改正事項が増えていくので随時お知らせしていく予定です。)
(廣島 三津子)