多種類の製品を生産・販売したり、複数の事業を行ったりしている企業が、全社的な視点から個々の製品や事業の戦略的な位置づけをすることにより、最適な経営資源の配分を考えようとするものです。
左のマトリックスは縦軸に将来的成長率、横軸に自社のマーケットシェアをとり、高低で表しています。矢印で「→」は効果的な経営資源配分の方向、「⇒」は望ましい製品・事業の移動の方向を示しています。
◇「金のなる木」大きな追加投資なしにキャッシュフローを生み出す製品・事業。しかし将来性に乏しいため、獲得した資金は「問題児」や「花形」に回す。
◇「花形」市場の成長に合わせた投資を続けていくことが必要な製品・事業。そのために品質の向上や新製品開発に力を入れる必要がある。つまり利益よりもシェアを重視する傾向がある。
◇「問題児」将来「花形」になる可能性を秘めた製品・事業であり目先の利益は度外視して、徹底的に資源の重点投入を行うことでシェア拡大を目指すが、撤退も視野に入れておく。
◇「負け犬」成長性もシェアも低く、従って利益も少ないので一般的には撤退を考える場合が多い。
経営資源は、一般的には「人・物・金・情報」と言われていますが、そこに時間・場所なども入れて考えてみるとおもしろいかもしれません。
(廣島 清量)