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役員給与を変更した場合の取り扱い

以前からお伝えしている通り昨年の税制改正で、18年4月郁夫に開始した事業年度から役員給与を期首から3月以内で改定時以外に増減した場合には、その役員給与を損金に計上することができなくなりました。今回はその一部の具体的な取り扱いについてお知らせいたします(3月決算の場合)。

①5月に50万円に決定して毎月50万円支給していたが、業績が好調であるため、10月より30万円増額し月額80万円に改定し、その後は改定後の80万円を継続支給した場合

⇒年間支給額の780万円のうち10月以降の増額分の毎月30万円部分の合計180万円を損金に計上することができません。(改定前の50万円が本来の定期同額給与であり、増額した30万円を別個の定期給与の上乗せと考えるため。)

②5月に50万円に決定して毎月50万円支給していたが、業績が不調であるため、10月より40万円減額し月額10万円に改定し、その後は改定後の10万円を継続支給した場合

⇒年間支給額の360万円のうち10月以前の減額分の毎月40万円部分の合計240万円を損金に計上することができません。(改定後の10万円が本来の定期同額給与であり、減額前は、その額に上乗せを行っていたと考えるため。)

※期中に何度も支給額を変更する場合には、変更部分だけでなく、支給額全額が損金に計上できないこともあります。

上記の損金に計上できない場合においては、その部分に対して法人税等が課税されるほか、支給額に対し、当然所得税も課税されます。従って期首から3月以内に役員給与の改定を行う場合には、会社個々の事情を踏まえて慎重に行う必要があります。

(水田 裕之)

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