なぜお金に働いてもらう必要があるのか?少なくとも6つの理由が挙げられます。
○老後資金の不足を補てんできない
成熟経済へ移行し、高度経済成長期のように高い収入の伸びが期待できない一方で、非効率な資産の運用法では生存リスクを補てんできなくなる。
○100歳まで生きるリスクを考慮しなければならない
日本は世界でも屈指の長寿国です。平成18年現在の平均寿命は、女性が85.81歳、男性が79.00歳。遺伝子治療やバイオ・テクノロジーの発達が平均寿命の伸びを予感させます。『生存リスク』という言葉には嫌な響きがありますが、惨めな老後を送らないためにも、長い人生の備えを今から真剣に考えておく必要があります。
○年金制度を支える世代間の相互扶助が行き詰っている
多くの高齢者を支えるために、税金や社会保障の負担が増えることは明らかです。
○低金利下で金融資産の運用が限界に達している
2005年現在、個人金融資産1,500兆円のうち約774兆円が預貯金で運用されています。収益性の観点から、預貯金は長期資産形成の手段として確実な運用法とは言えません。
○潜在的なインフレ円安の火種がある
財政赤字と調整インフレの誘惑、消費財分野における輸入依存率の拡大、穀物価格の上昇圧力、エネルギー・ショックなどが挙げられる。
○不動産投資はキャピタルゲインが期待しにくくなった
かつて不動産はインフレに最も強い資産と言われていました。成熟経済と人口減少経済への移行に伴い、投資対象としての不動産を巡る環境も大きく様変わりし、キャピタルゲインが期待しにくい状況になっています。また、より高い換金性の提供を目的としたREIT(不動産投資信託)が商品化されており、第三者への売却というオプションが用意されています。
日本は本格的な成熟経済へと移行し、同時に少子高齢化が進んでいます。我々は今、老後の備えに対する考えを抜本的に改める必要に迫られていると言えるでしょう。特に成長期・成熟期を迎えたと感じていらっしゃる中小企業の社長様は、将来に備え可能な限りお金に効率的に働いてもらうハッピーリッチを目標としたライフスタイルを実践しつつあるようです。
(久保 康高)