企業の外部環境は絶えず変化している。我々はその環境に適応するため、仕事のやり方、顧客との関係、種々のしくみ等の改善を迫られている。
改善は次のような手順で進められる。
現状分析⇒問題抽出⇒原因究明⇒改善活動
- 現状分析・・・決算書(3期から5期)の時系列分析から入り、部門別、店舗別、製品・サービス別、顧客別、営業マン別等の人別等へと分析の範囲を広げてゆく。この場合、ただ広げるのではなく仮説を立てて絞り込みを行ってゆく。また、決算書分析では同業種同規模他社との財務数値の比較が有効である。従業員一人当たりの財務数値の比較もそのひとつである。
- 問題抽出・・・普通、問題は複数抽出される場合が多いので、絞り込むなりプライオリティーをつけて取り組んでゆく。また、複数の問題が相互に関連している場合も多い。最も多い問題は労働分配率が高いことである。労働分配率は粗利益に占める人件費の割合で示される。「労働分配率が高い」とは、稼ぎのわりに人件費が多いあるいは人件費のわりに稼ぎが少ないことを示している。
- 原因究明・・・上記の問題の原因としては、①アイドルタイム(稼いでいない時間)が多い②稼ぎ手が複数の余計な仕事を持っていて稼ぎに専念できない③社長が自力主義で、自分にしかできないと思い込み、従業員に仕事を振れないため、社長は忙しすぎて管理に専念できない等々
- 改善活動・・・仕事のたな卸しをしてみる。例えば稼ぎ手の仕事を稼ぐ仕事と事務的なルーチンワークとに分けルーチンワークは人件費の安いパートさんにやってもらう等である。
実際には種々のことが関わっておりそう簡単にいかないのも事実です。定期的な計数チェックをお勧めします。「数字を見て考えているとふと気づいたり、見えたりすることがある」とある社長さんが言っておられました。
(廣島 清量)