償却資産を購入すると減価償却費として耐用年数にわたり損金処理される事になりますが、租税特別措置法では、一定の場合に、通常の償却とは別枠で減価償却出来る『特別償却』という制度が設けられています。
特別償却には大別して「初年度一時償却」と「割増償却」があり、いずれも償却資産を新規に取得した時に多額の減価償却費を認める事で税負担を軽減し、設備投資意欲を促進させる事が目的と言えます。
なお特別償却は初年度に多額の償却費を計上する為、2年目以降の償却費は減少する事になります。減価償却費に計上できる範囲が取得価格を上回る事が無い為、長期的にみれば損金にできる減価償却費は変わりません。よって初年度に払うべき税金を将来に繰り延べているのと同様の効果が生じます。
例)普通償却と特別償却の比較イメージ(取得価格:1000 耐用年数:5年の場合)
- 普通償却のみ 1年目200 2年目200 3年目200 4年目200 5年目200 計1000
- 特別償却適用 1年目500 2年目125 3年目125 4年目125 5年目125 計1000
※適用期間は租税特別措置法によって限定されていますので、注意して見てゆく必要があります。
(斎藤 勝)