人員不足の際に従業員募集を呼び掛ける手段として募集広告があります。募集要項には業務内容を記載する必要がありますが、これまで募集及び採用に係る年齢制限の緩和については努力義務とされてきました。
しかし、年齢制限にひっかかる高齢者や年長フリーター等の応募機会が閉ざされている状況から、昨年10月より労働者の募集・採用時に年齢制限を設けることができなくなりました。今後は年齢不問とした上で、職務内容・職務遂行に必要な労働者の適正・能力・経験・技能等をできる限り明示することが求められます。
この改正のポイントは
- 労働者の募集及び採用の際には原則として「年齢不問」としなければならない
- ハローワークを利用する場合をはじめ、民間の職業紹介事業者、求人広告等を通じて募集採用する場合や事業主が直接募集・採用する場合を含め、広く募集・採用を行うに当たって摘要される
ということです。ただし、年齢制限ができる例外事由として、
- 定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
- 労働基準法等の法令の規定により年齢制限が設けられている場合
- 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
- 技能・ノウハウ承継の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
- 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合
- 60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る。)の対象となる者に限定して募集・採用する場合
があります。
例外的に年齢制限を設ける場合において、上限(65歳未満のものに限る)を定める場合には、求職者、職業紹介事業者等に対して、その理由を書面や電子媒体により提示することが義務付けられています。
求人の内容等については、ハローワークから資料の提出や説明を求められることがあります。
法に違反する場合は、助言・指導・勧告等の措置を受ける場合があるとともに、ハローワークや職業紹介事業者において求人の受理を拒否される場合があります。
(廣島 三津子)