原油価格の上昇や建築着工件数の落ち込み等により、これらの影響を受ける中小企業において収益圧迫や資金繰りの厳しさが増すなど、中小企業を巡る経営環境は厳しくなっている。
こうした事態を踏まえ、政府は下記の対策を講じている。
◎原油価格高騰に関する対策
○資金繰り円滑化
1)政府系中小企業金融機関のセーフティネット貸付、信用保証協会のセーフティネット保証
- セーフティネット貸付の限度額 中小企業金融公庫・商工組合中央金庫:4億8,000万円、国民生活金融公庫:4,800万円 ※担保・保証条件の特例措置あり
- セーフティネット保証の限度額 普通保証2億円、無担保保証8,000万円
2)政府系中小企業金融機関や信用保証協会に係る既往債務に関し、個々の中小企業者の実績に応じた返済条件の緩和を行っている
○下請け適正取引等の推進
ガイドラインを設け種々の対策を講じている
◎改正建築基準法の施行に伴い、建築関連中小企業の業況悪化に対する金融上の支援
1)セーフティネット貸付制度
政府系中小企業金融機関による運転資金の融資制度
- 建築確認、けんちく着工の減少等による幅広い業種が対象
- 一般貸付及び普通貸付と比べ、融資限度額や元金返済据え置き期間に優遇措置あり
- 担保条件の特例制度が利用可能
2)セーフティネット保証制度
各都道府県等の信用保証協会の債務保証
- 一般保証と比べ、保証限度が別枠となるとともに、割安な保証料での保証が可能
- 指定業種に属し、最近3ヶ月間の売上等が前年同月比-5%以上の事業者が対象となり、市町村長の認定が必要
◎小規模・零細事業者の年度末金融の円滑化の推進
金融繁忙期である年度末の小規模・零細企業の資金繰りを円滑化するため、国民生活金融公庫の第三者保証不要融資制度の融資限度額を、現行の2,000万円から、セーフティネット融資等の融資限度額である4,800万円に引き上げる
以上の融資等に関する問い合わせは、政府系金融機関、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業庁・経済産業局に設置されている特別相談窓口で受け付けている。
(廣島 清量)