サブプライムローン問題をきっかけとして、世界の株式市場は急落している状況ですが、過去において大きなイベントが発生した際、市場はどの程度下落したのでしょうか?そしてその後どうなったのでしょうか?
米国株式市場は、10月19日のブラックマンデーに株価が急落した1987年、わずか3ヶ月で35%近く下落しました。イラクがクウェートへ侵攻し、湾岸戦争が勃発する前夜の1990年には、4ヶ月で約28%下落しました。ロシア通貨危機が発生した1998年は3ヶ月で約23%、2001年の米国同時多発テロ発生時は3ヶ月で約20%、大手企業の粉飾決算が発覚し破産申請に追い込まれた2002年には6ヶ月で約33%下落しました。
現在の下落率はどうかというと、最近のピークである2007年5月から2008年2月までの9ヶ月間で既に23%以上下落しており、米国金融当局の相次ぐ利下げをはじめとした、主要国の中央銀行によるさまざまな支援策が打ち出されているにも関わらず、先行き不透明感は強まっており、底が見えない状況です。
過去を振り返ると、以上のようなイベントが発生したあと、いずれのケースでも、イベント発生直前のピークを回復しています。これまでさまざまなイベントを乗り越えてきた米国株式市場は、1980年1月から2008年2月の約28年間、年率6.05%(5倍以上)で成長してきました。
株式市場がいつ底をつくか、いつ回復に転じるかは誰にもわかりませんが、今後も過去が繰り返されるとすると、このような時こそ、大勢が市場から逃げる中、投資するべきかもしれません。少なくとも過去においては、このような局面で売った投資家よりも買った投資家の方が、高い投資成果を獲得しています。
※データはS&P500指数〈円ベース〉を利用
(久保 康高)