セール&リースバックとは、現在保有している車両運搬具、機械、設備等の業務に使用している物件を、いったんリース会社に売却して代金の支払いを受けると同時に、リース会社から直ちにリース契約によってその物件を賃借する取引です。
セール&リースバックを実施すると次のようなメリットが得られます。
1. 物件は引き続き事業に使用することができ、物件の売却代金は事業運転資金として有効活用できます。
2. 資産のスリム化を図ることができます。すなわち、貸借対照表の固定資産に計上されていたものが流動資産に換わることになり財務指標が好転します。
3. 管理事務の省力化を図ることができます。
注意が必要な点があります、税務においては、セール&リースバックは保有物件を担保にして借入を行うことと同様の効果を得ることとして、金融的性格が高いことから、あらゆる場合で賃貸借取引としての処理を認めているわけではなく、金融目的以外の合理的な理由がない場合には、金融取引としての処理が必要です。
なお、リース会社の物件買取価格は、帳簿価額による場合が多いようです。
また、リース価格は、帳簿価額に物件を維持するための税金、保険料、メンテナンス費用等に金利を加えて算出します。 (廣島 清量)