平成21年度の税制改正に関する法案が3月27日に国会で承認されました。
今回はその中で住宅、土地に関する改正のうち主なものを簡単にご紹介します。
(1)住宅ローン控除の拡充(個人)
控除期間10年間で年末借入金残高(5000万円が上限)の1.0%(認定長期優良住宅=いわゆる200年住宅に該当する場合には1.2%)を所得税額控除されることになり、最大控除額が平成20年取得の場合の160万円から10年間で500万円(認定長期優良住宅に該当する場合には600万円)に増額されました。
また、平成19年と20年に取得した場合には適用されていませんでしたが21
年以後に取得した場合には、所得税額から控除しきれなかった分について住民税か
ら控除(上限9.75万円)することが出来るようになりました。
(2)自己資金で住宅を購入等した場合(個人)
住宅ローンを組まずに自己資金で下記の支出をした場合にも税額控除を受けられます。
① 長期優良住宅の新築等を行い、居住の用に供した場合には、標準的な性能強化費用相当額(上限1000万円)の10%の所得税額控除。
※その年分の所得税額から控除しきれなかった場合には翌年分の所得税額から控除出来ます。
② 自己の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を行った場合には、その工事費用の額と、その工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(上限200万円、併せて太陽光発電装置を設置する場合は300万円)の10%の所得税額控除。
③ 一定の居住者※が自己の居住の用に供する家屋について一定のバリアフリー改修工事を行った場合には、その工事費用の額と、その工事に係る標準的な工事費用相当額のいずれか少ない金額(上限200万円)の10%の所得税額控除。
※一定の居住者とは、Ⅰ.50歳以上の者、Ⅱ.要介護又は要支援の認定者、Ⅲ.障害者、Ⅳ.ⅡもしくはⅢに該当する親族又は65歳以上の親族と同居している者が該当します。
(3)土地譲渡益に対する特別控除(個人、法人)
平成21年、平成22年に取得した土地で保有期間が5年超のものを譲渡した場合の譲渡益についてはその譲渡益から1000万円が特別控除されることになりました。
※この特別控除については法人が譲渡した場合についても適用されます。
(4)土地等の先行取得をした場合の特例(個人事業者、法人)
事業者(法人を含む)が平成21年及び平成22年中に土地を取得しその取得
した事業年度の翌事業年度以後10年以内に、その取得した土地とは別の土地を
譲渡したときに、その譲渡した他の土地の譲渡益の80%(22年取得の場合に
は60%)に対する税金を、21年及び22年中に取得した土地を譲渡するまで
の間、繰り延べることができるようになりました。 (水田 裕之)