既存取引先との取引額の減少、又は取引の停止などによる売上高の大幅な減少に、頭を悩ませている経営者は多いでしょう。その現状を打開する方法として、新規取引先の開拓があります。とはいえ、新規開拓しようにも、「売上代金の回収ができるかどうか心配で、なかなか行動に移せない・・」といった声を良く耳にします。
ある程度の売上が確保できていれば、多少のリスクを背負ってでも新規開拓に向けた行動を起こす事も可能かもしれませんが、売上が減少している状況下では、たった一社の不良債権が致命傷になりかねません。新規開拓の必要に迫られていない時期には行動できるのに、一番行動を起こさなければならない筈の時期に限って、貸倒れが心配で行動できない・・といったジレンマが、そこには存在するのかもしれません。
しかし、会社の存続を考える以上、そのまま何もせずに流れに身を任せているだけでは会社の発展はおろか、存続さえ危ぶまれます。時にはリスク覚悟で行動しなければならない場合もあるでしょう。では、リスクを回避、もしくは軽減する為にできることは・・?
① 当初取引は少額からスタート
売上を上げるためには、仕入や人件費など、経費が先にかかるケースが多々あります。この場合、取引額が大きくなれば先立つ資金も大きくなります。場合によっては、その為に借り入れの必要が出てくる場合もあるでしょう。そこまでした売上代金が万に一つでも回収できない・・などということになってしまっては会社の一大事です。そうならない為にも、最初は少額な取引から開始するというのが一般的な方法といえます。
ただし、数回少額な取引で相手を安心させたうえで、大きな取引になったとたん連絡がとれない・・などという例もあるようなので、油断は禁物です。
② 代金を現金回収や、前受けの契約にする
売上債権自体が発生しませんので、貸倒れの心配がなくなります。
③ 有料ではありますが、商工会議所の信用調査サービスなども活用できます
商工会議所の会員限定サービスです。当事務所も会員となっております。ご依頼があれば代理で調査を承ることもできます。
④ 社長自身の直感が決め手です
決算書などの書類や、外部の調査も100%信用できるとは限りませんし、所詮は参考資料の一つにすぎません。やはり最終的には社長が自ら相手先に足を運ぶ必要があるのではないでしょうか?「百聞は一見にしかず」。実際に現地に行く事でしか得られない情報があるかもしれません。相手先の社長や、担当者が信用できる人物かどうか?会社の雰囲気や、従業員の働きぶりなど、直接その目で確かめてみてください。(斎藤 勝)