改正の趣旨として、厚生労働省では以下のように示しています。
労働時間の現状を見ると、週60時間以上労働する労働者の割合は、全体の中で10.0%、特に30歳代の子育て世代の男性の中では20.0%となっており、長時間にわたり労働する労働者の割合が高くなっています。(総務省「労働力調査」平成20年)
こうした働き方に対し、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することが重要な課題となっています。
このため、長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに仕事と生活の調和がとれた社会を実現することを目的とした改正労働基準法が成立しました。改正の趣旨・内容をご理解いただき、長時間労働の抑制等に向けた積極的な取組をお願いします。
もともと会社は時間外労働に対する賃金を支払う義務がありますが、長時間労働をさせた会社にはさらに大きい割合の賃金を支払うようにさせ、長時間労働をなくすなどの勤務時間見直しから労働者の健康につなげるという考えです。
中小企業においては従業員が足りない等の理由から長時間労働になってしまうことも少なくありません。長時間の労働は疲労につながり、また、過労死を引き起こす原因にもなります。
最近では、大企業のサービス残業や超過勤務の賃金不払問題などが取り上げられていますが、私たち中小企業にも労働基準監督署の調査が頻繁に入るようになっているそうです。
今やその調査を通過するためだけに対策をとるのではなく、従業員の健康管理も会社が考える時代になってきているといえます。
しかし、健康管理は個人の問題でもあることは言うまでもありません。 (廣島 三津子)