今年の中小企業白書では中小企業と金融機関の認識のずれについて
以下のような調査結果が掲げられています。
■ 金融機関に対し取組み強化を求めたい事項
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金融機関 |
中小企業 |
長期資金の貸出
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7.7 (%) |
15.9 (%) |
短期資金の貸出
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1.3 |
6.4 |
事業の将来性を評価した貸出 |
17.1 |
8.9 |
経営方針・事業計画の作成サポート |
13.3 |
3.0 |
資金必要時における迅速な貸出 |
36.6 |
23.0 |
規模の大きな投資への貸出 |
0.4 |
2.0 |
事業の実績を評価した貸出 |
5.6 |
6.0 |
仕入・販売先、事業連携先の紹介 |
7.6 |
6.9 |
人材の紹介・派遣
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0.3 |
1.2 |
金利・手数料水準の引下げ |
9.1 |
21.6 |
金融機関自身の信用力の強化 |
0.6 |
3.5 |
その他 |
0.3 |
1.6 |
中小企業庁委託(2009年11月みずほ総研)
我々が金融機関と良好な関係を築く上で、金融機関が何を考えているかを知っておくことは大変重要です。以下に、金融機関の研修会での内容の一部をご紹介します。
§複数の金融機関の支店長に対する質問:「企業に融資しやすくなる行動は何ですか?」
① 定期的な事業報告.
「毎月、社長の表情を見る機会があれば会社の状況もなんとなく見てくるので、経営や資金繰りに関する質問・提案をこちらからタイムリーに行える」
② 事業計画書の作成
「事業計画書を見せてもらえれば〔何を考えているのか〕〔どう行動しようとしているのか〕〔資金繰りはどうするのか〕が解り、それに対する当行の対処も早い時期から考えることができるため」
③ 決算報告書の説明
「よい決算のときではなく、むしろ悪い決算の時に説明してほしい」
④ 積極的な資料の提出
「融資する際に資料があればあるほど担当者は積極支援の稟議書を書きやすいし、支店長である自分も多面的な見解ができて納得しやすい」
⑤ 社長からの直接説明
「決裁権のない人物に事業方針を質問しても、適切な回答が返ってこないことが多い。決裁権のある社長に説明してほしい」 (廣島 清量)