平成22年度に中小企業倒産防止共済制度の改正が行われ、その一部が7月1日よりスタートしました。
中小企業倒産防止共済制度とは、取引先企業の倒産の影響によって、中小企業者の方が連鎖倒産や経営難に陥ることを防止するための共済制度で、売掛金債権等が回収困難となった場合に、回収困難な売掛金債権等の額とその時点の掛金総額の10倍のいずれか少ない額を限度として無利子、無担保、無保証で共済金貸付けが受けられる制度です。
毎月の掛金は法人又は個人の経費として税務上の損金に計上できます。
この中小企業倒産防止共済制度についての改正のうち、「取引先業者の倒産に関する要件の拡大」が7月1日より適用開始されました。
これまでは、
1.破産手続開始などの法的整理が行われた場合。
2.手形の不渡により金融機関の取引停止処分を受けた場合。
のみでしたが、改正により
3.私的整理により弁護士等から書面により支払を停止する旨の通知があった場合。
という要件が加わりました。
※弁護士等・・取引先事業者(倒産会社)から債務の整理の委託を受けた弁護士又は私的整理に関して法務大臣の認定を受けた司法書士
※「夜逃げ」や「上記以外の私的整理」の場合には発生時点の特定や事実の確認が困難であるため、当制度の「倒産」には含まれません。
その他の主な改正には以下のものがありますが、具体的な改正時期については今のところ未定となっており、平成23年以降になる見込みです。
1. 貸付限度額の引上げ
現行3200万円 改正後8000万円
2. 掛金積立限度額の引上げ
現行 320万円 改正後 800万円
3. 掛金月額の引上げ
現行 8万円 改正後 20万円
4. 返済期間の延長
現行 最長5年 改正後 10年
加入要件 個人・・・事業開始後1年以上 (水田 裕之)