厚生労働省は本年度のみの時限措置として、就職先の決まっていない新規学卒者(平成21年10月から平成22年9月末までに卒業した者で、雇い入れ開始日現在の年齢が40歳未満の者)を体験雇用した事業主に対して「新卒者体験雇用事業助成金」を創設しました。この制度は、就職先が決まっていない新規学卒者に対して事業主が体験的な雇用機会を設けることにより、就職先の選択範囲の拡大や、その後の正規雇用を促進する事を目的としています。
主な流れは以下の通りです。
1 .ハローワークに体験雇用求人を登録する。
2.体験雇用は1ヶ月から最長3カ月の有期雇用。
3.体験雇用開始の日から2週間以内に「体験雇用実施計画書」を提出。
4.体験雇用終了日の翌日から起算して1ヶ月以内に「体験雇用結果報告書兼新卒者体験雇用奨励金支給申請書」を提出。
5.審査終了後に、対象者1人当たり最大16万円の奨励金を支給。
(1ヶ月目:8万円 、2・3ヶ月目:各4万円)
適用要件には、雇用保険の適用事業主であること、体験雇用開始の前日から起算して6ヶ月前の日から事業主の都合により被保険者を解雇していない事、労働関係帳簿(出勤簿・賃金台帳・労働者名簿など)を保管している事・・などがあげられています。
※当該事業は、平成22年11月末までに体験雇用を開始した場合に対象となります。
さらに平成23年度では、この助成金制度を衣替えし、「新卒者キャリアスタート事業」として創設し、企業への助成額を5~9割引き上げ、対象者を年2400人から1万人超に拡大するなど、景気の先行き懸念に対応し、雇用の安定を目指すとしています。
今回の助成金は新卒者の内定状況の悪化を背景としているため、新卒者に限定されていますが、雇用に関する助成金は他にもいろいろあります。助成金目当てでは本末転倒ですが、もともと採用をお考えの場合であれば、是非検討してみてはいかがでしょうか。 (斎藤 勝)