償却資産税は市町村民税で固定資産税のひとつであり、土地建物、自動車以外の減価償却資産にかかる税金です。
具体的には10万円以上の機械や応接セット、エアコン、内装造作などが対象となり、これらの帳簿価額の合計に税率(1.4%)を乗じて税額が算出されます。
ただし、帳簿価額の合計が150万円未満である場合には、課税されません。
納税先は、国税庁に属する税務署ではなく、償却資産が存在する地方自治体(市区町村)になります。東京都の場合は、都税事務所になります。
償却資産税は、納税者側で税額の計算をし、納税するのではなく、地方自治体で税額の計算をし、毎年4月に納付書が送られてきて、4回に分けて納税します。
しかし、地方自治体では各事業者の所有する償却資産の内容がわからないため、毎年12月に償却資産申告書を事業者に送付し、1月末までに事業者自身が所有資産の内容を記載して申告する制度をとっています。
この申告書を元に地方自治体で税額の計算をすることになります。
申告書は前年送付した事業者及び新たに開業した事業者に送られますが、登記した本社の場所と違う自治体に店舗を開店した場合などは、自治体がその存在を把握することができず、申告書が送られてこない場合があります。このような場合であっても本来は納税者自らが申告書を取り寄せて申告をしなければいけません。
自治体が把握しておらず、申告書を送ってこないわけだから、わざわざ申告をしなくても問題はないように思われますが、そのような場合でも調査委員が市区町村内を巡回し、新たに開店した店舗や申告をしていない店舗等を調査し、数年後に初めて申告書が届くということになる可能性があります。このような場合には最大5年間遡って償却資産税を徴収されることになり、思わぬ支出になる可能性があるため注意が必要です。 (水田 裕之)