次の要件に該当する人は、確定申告すれば税金が戻ってくる可能性があります。
しかしこれは、あくまでも任意です。還付を受けるつもりがなければ、確定申告する必要はありません。逆にいうと確定申告書を提出しなければ、還付を受けることはできません。
【代表的な要件】
1.その年に住宅の取得、増築等をした人
その年に住宅ローンで、住宅を取得した場合、確定申告で住宅借入金等特別控除を受けることができます。2年目以降は年末調整でこの控除を受けることができます。
2.病院等に医療費を一定額以上支払った人
家族全員の医療費が一定額を超えた場合に所得控除を受けることができます。
3.寄付をした人
納税者が国や地方公共団体などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。
4.政党等への寄付をした人で上の寄付金控除を受けない人
政党等に対する寄附金については、上記の所得控除に代えて一定の算式で計算した金額(所得税額の25%相当額を限度)について税額控除を受けることができます。
5.火災・台風等で災害を受けた人
災害、盗難、横領等によって、生活に必要な資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
また、損失の額が大きく、その年の所得金額から控除しきれない場合には翌年以降(3年間が限度)に繰り越して各年の所得金額から控除することができます。
6.年末調整後に扶養親族が増えた人や控除し忘れたものが見つかった人
年末調整の際に生命保険料控除、損害保険料控除等の控除証明書の提出をしていなかったり、年末調整後に子供が生まれて扶養控除の申告が間に合わなかった場合などは、確定申告でこれらの控除を受けることができます。
また、年間給与が103万円以下で、源泉徴収されている方で年末調整をしていない場合には確定申告をすれば税額の還付を受けることができます。
7.年の途中で退職し再就職していない人
給与所得の所得税は1年分を見込みで源泉徴収し、年末調整で実際の税額との差を調整します。
その年の途中で退職したままで年末調整を受けていないと、実際に受け取った給与は1年分に満たないので、税金の納めすぎになっている場合がほとんどです。
8.株式や固定資産の譲渡損がある人
他の譲渡損との損益通算や損失の繰越を受ける場合には確定申告をする必要があります。 (水田裕之)