現金出納帳とは、現金の収支を記録して、現金残高を把握しておくための帳簿のことを言います。
しっかり現金出納帳をつけていると、手許の現金と現金出納帳の現金残高が一致します。
現金管理ができていないと会社の数字を正しく把握できない等の不都合が生じます。
日々の現金管理は中小企業の場合、経営者や従業員が行う必要があります。
小型金庫を用意し、現金出納帳に入出金の取引をきちんと記録し、現金出納帳の残高と実際の現金残高を毎日一致させることが現金管理の基本です。
◆現金出納帳記入の注意点
① 毎日記帳する
一日分の入出金取引が終わった時点で現金出納帳の残高欄に残高を記入し、小型金庫にある現金残高と一致しているかを毎日確認する。飲食店等で早番、遅番等がある場合には、早番が終了した時点、遅番が終了した時点で確認する。
② 入金された日、精算して出金した日で記帳する
現金出納帳への記帳は、会社から現金が出た日、現金が入った日で記帳します。領収書の日付で記帳すると、精算のタイミングで現金出納帳の残高と小型金庫の現金残高が一致しなくなる場合があります。
③ 合わない原因を追求する
現金が合わないときは不一致の原因をすぐに調査し合わせるように努力します。それでも原因が追求できない場合には「現金過不足」勘定を使って記帳します。個人の現金で処理することはやってはいけません。決算まで「現金過不足」勘定が残っていたら、雑収入、雑損失勘定に振り替えます。
④ 会社の現金と個人の現金をきっちり区別する
小さな会社は、会社の現金と個人の現金を同じように扱いどんぶり勘定になりがちです。
会社の現金を個人的にもっていって使ってしまう場合、またはその逆で、個人の現金を会社のために
入金する場合には、現金出納帳に貸借関係をこまめに記録することが大切になってきます。
⑤ 仮払金・立替金の処理は速やかにする
精算する日を決める、締切日を設ける等をして仮払いの精算は速やかにする。
これがルーズになると経理自体がルーズになります。また、従業員の経費立替精算を月1回にし、
給与と一緒に振込にすることで事務負担をかなり減らすことができます。
⑥ クレジットカードやおさいふ携帯を利用する
クレジットカードやおさいふ携帯を利用することによってできるだけ現金支払を減らし、結果、現金出納帳の記入も減り管理がしやすくなります。(伊藤 淳二)