消費税の計算方法は簡易課税を除き原則として「預かった消費税の合計額」から「支払った消費税の合計額」を差し引いて納める消費税を計算します。仕入税額控除とは、この「支払った消費税の合計額」を「受け取った消費税の合計額」から差し引くことをいいます。「支払った消費税の合計額」が大きいほど納付する消費税は少なくなります。
仕入税額控除の要件
仕入税額控除をするには、消費税を支払った事実を「帳簿」に記録し保存しておくとともに、事実を証明する「請求書など」を保存しておく必要があります。その保存期間については、その閉鎖又は受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、事業者の納税地又はその事業に係る事務所等に保存しなければなりません。
売上関係の事務資料が比較的管理しやすいのに対して、仕入関係の事務資料の管理は大変です。なぜならば、相手先が発行する資料であることから様式(記載事項)が千差万別であり、さらには自身ではそれをコントロールできないからです。そんなことから、購買の際には単なる価格交渉だけでなく「仕入税額控除の要件」を意識しておく必要があります。
(1)帳簿の要件(帳簿に記録すべき事項)
① 相手先の氏名または名称
② 取引の年月日
③ 取引の内容(購入した資産やサービスの内容)
④ 支払った金額
(2)請求書などの要件(請求書などに記載されていなければならない事項)
① 請求書などの作成者の氏名または名称
② 取引の年月日
③ 取引の内容(取引した資産やサービスの内容)
④ 取引金額
⑤ 請求書などを受け取る者の氏名または名称 (伊藤 淳二)