平成23年7月13日号でお知らせした雇用促進税制の適用を受けるために必要な手続が、平成23年8月1日から開始されています。この制度は事業拡大等で従業員数の増加が見込まれる法人・個人事業主にとっては非常に魅力的な制度です。この制度の適用を受けるためには所定の手続が必要となりますので、手続漏れのないようにご注意ください。
◆制度の概要
青色申告を行う法人や個人が、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間に開始する事業年度(個人事業主の場合は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各暦年)に、雇用者の増加が5人以上(中小企業は2人以上)で、かつ、雇用増加率が10%以上である等の所定の要件を満たす場合に、雇用増加数1人当たり20万円(法人税額の10%または20%が上限)の税額控除が受けられる制度です。
◆税制上の適用に必要な事務手続
①事業年度開始後2カ月以内に、目標雇用増加数等を記載した雇用促進計画を主たる事業所の所轄ハローワークへ提出すること
②事業年度終了後2カ月以内(個人事業者については3月15日まで)に雇用促進計画の達成状況の確認をハローワークへ求めること
③確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書に添付して申告すること
本来は事業年度開始から2カ月以内に雇用促進計画書を提出しなければならないこととされていますが、東日本大震災の影響や法案成立の遅れのため、平成23年4月1日から8月31日までに事業年度を開始する事業主については、平成23年10月31日までに届ければ良いことになっています。
この制度の特徴は、税制上の優遇を受けるためにハローワークの確認の証明が必要な点と、事業年度「開始後」と「終了後」の2度の事務手続が必要となる点です。事業年度終了後に行うハローワークの確認作業には、書類提出後2週間程度の期間が必要となるようですので、申告に間に合うように早目に準備する必要があります。(久保 康高)