① 低炭素まちづくり促進法の創設に伴う税制改正
国土交通省は二酸化炭素排出量の少ない低炭素なまちづくりの推進に向けて、来年の通常国会に「低炭素まちづくり促進法案(仮称)」を提出する予定です。12月に発表された平成24年税制改正大綱においてもこの法案が制定される前提で認定住宅(例えば、断熱性の高い壁や太陽光発電パネルなどを備え、エネルギー消費量が現行基準より1割以上抑制できるマンションや一戸建て住宅など)に対して減税の内容を盛り込んでいます。
1.所得税住宅ローン控除の拡充
住宅ローン控除は、10年以上のローンを組んでマイホームを買ったり増改築したりした場合、一定要件のもと、年末借入残高の1%相当額が10年間にわたり所得税から控除できる制度です。
現行の制度での年末借入残高の上限は平成24年中に取得・居住した場合は3000万円で平成25年中に取得・居住した場合は2000万円ですが、認定住宅の場合はそれぞれ1000万円ずつ増額され平成24年が4000万円、平成25年が3000万円となります。従って各年の控除額の上限が平成24年取得で40万円、平成25年取得で30万円とそれぞれ10万円増加することになります。
2.不動産登記に対する登録免許税の減税
同法の施行日から2014年3月31日までの間に、個人が「低炭素まちづくり促進法」に規定する省エネ認定住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定住宅の取得をする場合における当該認定住宅にかかる所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率については以下のとおりになります。
所有権の保存登記 1000分の1(本則1000分の4)
所有権の移転登記 1000分の1(本則1000分の20)
② 省エネルギー性・耐震性を備えた居住用家屋取得資金
12月7日にお知らせした平成23年末で期限切れとなった直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度(現行1000万円)については適用対象住宅の床面積を240㎡以下として、平成26年まで3年間延長されましたが、省エネルギー性や耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合と一般の住宅用家屋の場合とで非課税限度額が異なることになります。
それぞれの限度額は以下の通りです。
平成24年中の贈与 良質な住宅1500万円 一般住宅1000万円
平成25年中の贈与 良質な住宅1200万円 一般住宅 700万円
平成26年中の贈与 良質な住宅1000万円 一般住宅 500万円
この改正は平成24年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得資金に係る贈与税について適用されます。(水田 裕之)