年金をもらうには原則として25年以上保険料を納付することが必要ですが、実際には保険料を払っていなくても受給資格期間として認められる期間があります。この期間のことをカラ期間(合算対象期間)といいます。25年以上という期間には、保険料納付済期間はもちろん、保険料免除期間とこのカラ期間が含まれます(ただし、カラ期間により貰える年金額そのものが増えることはありません)。
保険料納付済期間と保険料免除期間を足した年数が25年に満たない場合、このカラ期間が大きな意味を持っています。
「年金はもらえない」と思い込んでいた方が、このカラ期間を加入期間に合算できたことで年金を受給できるようになったという例があります。
【カラ期間の主なもの】
(昭和36年4月に国民年金制度が、昭和61年4月に第三号被保険者制度がスタート)
① 昭和36年4月から昭和61年3月までのサラリーマン(厚生年金や共済組合等の加入者)の配偶者であった期間(別名で配偶者期間ともいいます)
② 日本国民で海外に居住していた昭和36年4月以降の20歳以上60歳未満の期間
③ 平成3年3月以前の学生であった期間のうち20歳以上60歳未満の期間
④ 平成12年4月以降の学生等の納付特例制度の適用を受けて、保険料を追納していない期間
⑤ 平成17年4月以降の30歳未満の保険料納付猶予をされた期間で保険料を追納していない期間
⑥ 厚生年金や共済組合の加入期間のうち20歳未満の期間、または60歳以上の期間
⑦ 昭和36年3月以前の厚生年金や船員保険の加入期間
⑧ 厚生年金の脱退手当金を受けた期間のうち昭和36年4月以降の期間
■ 年金制度の改正
平成24年10月1日から3年間に限り未払いの国民年金保険料を過去10年分(平成14年分から10年分)まで遡って納められるようになります(3年以上遡って保険料を納付する際は加算金がかかります)。
年金はもらえないと思っている方は、保険料納付済期間、保険料免除期間、カラ期間、遡って10年納められる分、今後納付する分とを計算して25年以上になるかどうか確認してみることが大切です。(伊藤 淳二)