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中小企業のブランド戦略とは

「ブランド」いう言葉を聞くと、まずイメージするのが、海外の高級衣料品や時計といったものかもしれません。しかし、ここでいう「ブランド」とは商品そのものに対するイメージだけではなく、「他社に対する優位性や差別化」など企業のイメージを含みます。高い技術力はもちろん、納品スピードや行き届いたアフターサービス、積極的な提案力など、ブランドになりうる要素は様々あります。

自社の強みは何ですか?「これだけは他社には負けない」というものがあるでしょうか?その強みを外部に対してアピールしきれていますか?この強みこそ、長い年月をかけて提供していくことで、顧客からの信頼を得て、やがて企業にとっての「ブランド」として、自社の商品やサービスのファンを形成していきます。その結果、顧客の固定化や価格競争の回避に繋がり、この厳しい時代を生き残っていくために必要な、「企業の柱」となります。

とはいえ、言葉で言うほど簡単なものではなく、もちろん時間もかかります。かといって 「ブランド」=「大企業だけのもの」という事ではないのも事実であり、中小企業でこのブランド戦略に成功している事例は沢山あります。そのすべてに共通しているのは、経営者の熱い思い、夢、ビジョンが存在しているという事です。自社の将来あるべき姿を具体的にイメージし、それを成し遂げる為に必要な行動を常に考え続けていく必要があります。

 

大企業が自社のブランドを構築するために利用する方法の最たるものとして、マスメディアを利用した広告宣伝があります。しかし、中小企業にとって広告宣伝にそれだけの資金をかける事はなかなかできません。大企業の商圏はとても広いため、広く顧客に向けた発信が必要となるために、こういった手段をとる必要がありますが、会社の規模や顧客とすべきターゲット層・商圏の範囲・地域が異なれば、とるべき手段も当然異なってきます。

中小企業だからこそのメリットとしては以下の様なものが考えられます。

・比較的商圏が限られている為、広告宣伝よりも信憑性の高い口コミの効果が高い

・従業員との距離が近く、組織内の全員が同じ理想に向かって進む体制をつくりやすい

・従業員同様、顧客との距離も近く、ニーズを敏感に体感することができる

ブランド形成は一朝一夕ではできません。現在ある、どのブランド商品も最初から有名だったわけではなく、良い商品やサービスを、時間をかけて提供し続けることで、顧客からの信頼や安心を勝ち取って現在に至っているのではないでしょうか。長引くデフレ経済下では、他社と同じ事をやっていたのでは、価格競争に巻き込まれ自社の収益を圧迫していくだけです。この低価格競争から脱却するためにも、この「ブランド」の構築は非常に重要な経営戦略の1つといえるのではないでしょうか。(斉藤 勝)

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