平成24年度税制改正関連法が3月30日に参議院本会議で可決成立しました。
目玉になるような大きな改正は盛り込まれていませんが、中小企業に関係する主な内容をご紹介します。
【所得税】
1. 住宅ローン控除の拡充
認定低炭素住宅についての年末借入残高の上限が1000万円上乗され4000万円になります。
(適用時期)平成24年所得税より適用
2. 給与所得控除の上限設定
給与収入1500万円超の場合の給与所得控除額について245万円の上限を設定。
(適用時期)平成25年所得税より適用
3. 役員退職給与の課税方法の見直し
在職期間5年以下の役員の退職金に対する所得税・住民税の計算上退職所得を2分の1とする措置を廃止。
(適用時期)平成25年1月1日以後に支払われる退職金から適用
【相続・贈与税】
1. 住宅取得等資金贈与の特例の延長
直系尊属から住宅の新築若しくは取得又は増改築のための資金の贈与を受けた場合の非課税特例が3年間延長。
(適用時期・適用金額)
平成24年・・1000万円、平成25年・・700万円、平成26年・・500万円
2. 耐震・省エネ住宅の場合の住宅取得等資金贈与の特例の上乗せ
上記1.について耐震・省エネ住宅を取得する場合にはそれぞれ500万円の上乗せ。
(適用時期・適用金額)
平成24年・・1500万円、平成25年・・1200万円、平成26年・・1000万円
※今回の税制改正ではありませんが3月以前に成立し、4月以後に影響する主な内容をご紹介します。
1.法人税率の引下げ (適用時期)平成24年4月以後開始事業年度
所得金額800万円以下の部分 18%→15%(16.5%)
所得金額800万円超の部分 30%→25.5%(28.05%)
注)復興特別法人税が課税されるため3年間はカッコ内の税率になります。
2.定率法の減価償却率の改正(原則4月1日以後取得分。経過措置あり)
改正前定額法の償却率×250%→改正後定額法の償却率×200%
3.青色欠損金の繰越期間の延長(平成20年4月1日以後終了事業年度分)
改正前 控除可能期間7年→ 改正後 控除可能期間9年 (水田 裕之)