法人が自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)を被保険者とする終身保障タイプの「がん保険」(注)について、国税庁より平成24年4月27日に税務取扱に関する通達が発表されました。この通達は平成24年4月27日以降の契約に係る「がん保険」について適用されます。
(注)ただし、役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者としており、これらの者を保険金受取人としていることによりその保険料が給与に該当する場合の契約を除く
改正の趣旨
保険期間が終身である「がん保険」は、保険期間が長期にわたるものの、高齢化するにつれて高まる発生率等に対し、平準化した保険料を算出していることから、保険期間の前半において中途解約又は執行した場合には、相当多額の解約返戻金が生ずる。このため、支払保険料を単に支払いの対象となる期間の経過により損金の額に算入することは適当でない。そこで、支払保険料を損金の額に算入する時期等に関する取扱いを明らかにすることとしたものである。
税務上の取扱い
今まで支払保険料の全額損金算入が可能だった「がん保険」ですが、新たに契約した場合、下記のような取扱いとなります。
平成24年4月27日以降新たに契約するがん保険
・・・保険期間の前半5割は1/2損金算入、1/2資産計上、後半5割は全額損金算入+資産計上分の一部を取り崩して損金算入
平成24年4月26日以前契約のがん保険
・・・税務取扱いに変更なし(いままで通り全額損金算入)
今まで加入している「がん保険」については引き続き全額損金算入が認められることとなりました。
(伊藤 淳二)