下の図は決算書が出来るまでの過程を示したものです。あたかも様々な作業を経て製品が完成する製造工程のように見えることでしょう。
ただ、各工程の作業は決算書を作ることを意識して行われているものだけではなく、それぞれ固有の目的を持っているものもあるので以下でご説明いたします。
1)経理
毎月の売上代金の回収のため、仕入代金等の支払のための記録、日々の経費の支払等の現金の出納の記録については会社の運営管理上、全ての会社が行ってる作業です。
2)会計処理
上記の「経理」は、それぞれの会社独自の方法でも良いのと違い、「会計処理」は簿記会計や税法などの一定の規則に従って行われる作業です。平成24年2月1日には「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)」が公表されました。会計処理は一定の知識と経験が必要になります。したがってこの作業は全部または一部の違いはあれ会計事務所に委託する会社がほとんどを占めています。
3)決算
「決算」において大切なことは「決算対策」です。「決算対策」は少なくとも事業年度終了3か月前から行う必要があります。中小企業の場合は節税対策と銀行対策が中心となります。
4)提出(どのように活用されているか?)
中小企業の場合は税務署、金融機関への提出のためがほとんどです。自社の情報がたくさん詰まっている「宝庫」である決算書を是非、自社の経営に活用したいものです。(廣島 清量)