消費税の増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案が8月10日、参院本会議で成立しました。
成立した主な法案は以下のとおりです。
【税制】
1. 消費税法の一部を改正する等の法律案
これにより、経済環境の急変時に増税を見合わせる「景気条項」はありますが、消費税の税率は以下の通りに引き上げられます。
平成26年4月1日以後・・・8%
平成27年10月1日以後・・・10%
消費税率及び引上げ時期は決定しましたが、消費税の逆進性対策に関する具体的な内容については決まっておらず、低所得者対策として給付付き税額控除や複数税率の導入を軸に、今後検討されます。
また、住宅や自動車については消費税増税による負担が大きいことから、増税前の駆け込み需要やその反動等を緩和するための住宅ローン減税の拡充や自動車取得税の見直しも、今後の検討課題です。
当初同法案に盛り込まれていた所得税(最高税率の引き上げ)及び相続・贈与税(基礎控除の引下げ・税率構造の見直し並びに相続時精算課税制度の拡充)等は法案から削除され、平成25年度税制改正として平成24年度中に議論する旨が法案の附則において規定されています。
【年金・医療等】
2. 国民年金法等の一部を改正する法律案
① 受給資格期間の短縮(施行日:27年10月)
老齢基礎年金の受給資格期間が25年から10年に短縮
② 短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大(施行日:28年10月)
週30時間以上→20時間以上
③ 産休期間中の保険料免除(施行日:法案成立後2年を超えない日)
産前産後休業期間中の厚生年金保険料の免除
3. 年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
(施行日:平成27年10月)
① 厚生年金に公務員等も加入し2階部分の年金は厚生年金に統一する
② 共済年金と厚生年金の制度的な差異については基本的に厚生年金に揃えて解消
【子ども・子育て支援】
4. 子ども・子育て支援法案(施行日:未定)・・・子どものための現金給付等
5. 総合こども園法案(施行日:未定)・・・総合こども園の設置等 (水田 裕之)