従業員が入社し、社会保険の資格取得の届出を行う際には、事業主が被保険者や被扶養者となる人の氏名等の確認を行うことになっています。しかし、偽名での届出が行われ、健康保険証が発行されていたというトラブルが発生したことを受け日本年金機構では本人確認の徹底を事業主に改めて周知しています。
【新たに従業員を採用した場合に確認すべき事項】
新たに被保険者となる従業員を採用した場合には、必ず従業員の氏名、生年月日、性別、住所等のほかに、基礎年金番号を確認することとしており、基礎年金番号が確認できる場合には、資格取得届にその番号を記載し提出します。その際、間違いのないように気をつけましょう。一方、年金手帳の紛失等により基礎年金番号が確認できない場合は、運転免許証や住民基本台帳カード(写真付きのもの)等で本人確認を行うことになります。これらの証明書で本人確認ができた場合には、資格取得届と併せて職歴等を記載した「年金手帳再交付申請書」を日本年金機構に提出します。
なお、事業主が確認をした書類を提出する必要はありませんが、念のためコピー等をして届出書類とともに保管しておくことをおすすめします。
【10月1日から変更となる資格取得届の取扱い】
本人確認の強化に伴い、平成24年10月1日以降に受け付けられた資格取得届で基礎年金番号が未記入(年金手帳再交付申請書を添付の方は除く)の場合には、一旦、事業主に返戻されることになります。その後、本人確認ができるまでは健康保険証の発行が行われないこととなります。
【本人確認の証明書等】
本人確認の証明書としては、以下の通りとなっています。
(1)1種類の書類で足りるもの
①運転免許証 ②住民基本台帳カード(写真付きのもの)
③旅券(有効期限内のパスポート)④在留カードまたは特別永住者証明書
⑤国または地方公共団体の機関が発行した資格証明書(写真付きのもの)
(船員手帳、宅地建物取引主任者証等)
(2)2種類以上の異なる組み合わせが必要となるもの
・写真貼付のない「住民基本台帳カード」、住民票
・後期高齢者医療被保険者証、介護保険被保険者証
・金融機関又はゆうちょ銀行の預(貯)金通帳、キャッシュカード、クレジットカード
・印鑑登録証明書
・共済年金または恩給の証書
健康保険証は通院中など、なるべく早く欲しいという従業員もいらっしゃいます。手続きの際にあわてることのないように、年金手帳や身分証明書を入社時に持参するものとして事前に知らせておくといった対応が必要になります。 (廣島 三津子)