建設業の事業主の方は社会保険へ加入されているでしょうか?国土交通省では、建設業の社会保険未加入問題について取り組みを進めており、その一環として、省令等の改正が行われました。現在、建設業者における雇用保険や健康保険・厚生年金の未加入率については、下請企業になるほど加入割合が低い結果となっています。
国土交通省では、建設産業の持続発展のため、行政・発注者・元請企業・下請企業・建設労働者等の関係者が一体となって対策を進めることで、平成29年度までに保険加入率を企業単位で100%、労働者単位で製造業相当(雇用保険92.6%、厚生年金保険87.1%程度)とすることを目指しています。
国土交通省の取り組みポイント
(1)平成24年7月から保険未加入企業に対する経営事項審査の評価が厳しくなっています。
(2)平成24年11月から
① 建設業許可申請書に、保険加入状況を記載した書面の添付が必要となります。
② 施工体制台帳に、保険加入状況の記載が必要になります。
上記より、社会保険等に未加入のままだと
建設業許可部局から指導が行われ、社会保険担当部局への通報も行われるとともに、最終的には建設業法の監督処分を受ける場合があります。また、経営事項審査において保険未加入の場合の減点幅が拡大されることから、企業の評価が低いものとなります。保険加入(法令遵守)を競争参加資格登録の要件と位置づけている発注者もあります。
保険未加入企業に対する加入指導の実施(平成24年11月から)
建設業の許可を新規申請するときや更新等申請するときには、建設業許可申請書を提出することになっています。平成24年11月からは新たに様式が定められ、「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」の3保険の加入状況を記載して提出することになります。申請者が保険に加入していないことが確認された場合、国や都道府県の建設業担当部局が加入指導などを行う予定です。 (伊藤 淳二)