1月24日に平成25年度の税制改正大綱が発表されました。主な改正内容は以下のとおりです。
【所得税】
1.所得税の最高税率の見直し(増税) 所得税の最高税率は、現在は40%ですが課税所得4000万円を超える部分に対して45%に引き上げられます。 適用:平成27年分以後の所得税
2.住宅ローン減税の延長・拡充(減税) 平成29年12月31日まで4年間延長するとともに年間の減税額が最大40万円(一定の住宅の場合は50万円)に拡大されます。
【消費税】
1.消費税の複数税率導入(見送り) 消費税8%での複数税率は見送られ、消費税10%導入時(平成27年10月)に複数税率導入を目指す。対象品目や軽減税率については今後議論されます。
【法人税】
1.交際費の中小企業特例の拡充(減税) 定額控除限度額を現行の600万円から改正後800万円に引き上げるとともに定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)が廃止されます。(適用時期未定)
2.国内設備投資の促進のための措置の創設(減税) 青色申告法人が一定額を超える生産等設備等を取得した場合に取得価額の30%の特別償却又は取得価額の3%の税額控除の選択適用
適用期間:平成25年4月1日から平成27年3月31日までに開始する事業年度
3.雇用・労働分配(給与支給等)を拡大するための税制措置の創設(減税) 青色申告法人が雇用者へ支給する給与額が一定割合以上増加した場合に雇用者給与等支給増加額の10%(法人税額の20%を限度)の税額控除 適用期間:平成25年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度
【相続・贈与税】
1.贈与税率の引下げ(減税) 20歳以上の者が直系尊属から贈与を請けた場合に限定し、贈与税率が5%から10%引下げられます。適用:平成27年1月1日以後の贈与
2.1500万円までの祖父母から孫への教育資金の贈与非課税措置の創設(減税) 高齢者の資金を活用して若い世代の負担を占める教育費用を減らすために、祖父母から30歳未満の孫への1500万円までの教育資金の贈与の非課税制度が創設されました。適用期間:平成25年4月1日から平成27年3月31日
3.相続税の基礎控除及び税率構造の見直し(増税)
基礎控除額が現行5000万円+1000万円×法定相続人数→3000万円+600万円×法定相続人数に縮小されます。また、最高税率が現行の50%から6億円超の部分に対して55%に引き上げられます。
適用:平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産
【自動車取得税】
1.自動車取得税は消費税8%に引き上げられる段階で税率を引下げ、消費税率を10%に引き上げる段階で廃止されます。 (水田 裕之)