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振替納税度を利用する場合の注意点と延滞税の見直しについて

◎振替納税と延滞税

所得税の納期限は315日、個人消費税の納期限は41日ですが、振替納税を利用している場合の振替日は所得税が422日(月)、消費税が424日(水)になります。

確実に銀行口座から引き落されるよう、あらかじめ指定口座の残高を確認し、振替日の前日までに納税額に見合う預貯金残高を準備しておく必要があります。
 残高が不足している場合には振替ができず、改めて銀行や税務署に足を運び納税することになってしまうだけではなく、納期限の翌日から納付の日までの期間について、延滞税を支払わなければなりません。

この場合の納期限というのは、振替日ではなく当初の申告期限(所得税の場合は315日、消費税の場合は41日)を指します。

延滞税は、納期限の翌日から2月を経過するまでの期間については年4.3%、それ以降は年14.6%の割合で日割り計算されます。残高不足にならないよう十分注意してください。

25年税制改正における延滞税の見直し

延滞税に関して平成25年度税制改正において見直しが予定されています。

延滞税は、期限内に納付した納税者との間の負担の公平の確保や、滞納防止などの観点から設けられており、債務不履行に対する「遅延利息」の性格を有します。また、法定期限を徒過した場合のペナルティーであるとともに、納期限を順守させるインセンティブになっています。しかし、昨今の市中利息は依然として低金利なため、現在の状況に合わせるために引き下げを行うこととされました。

現行の延滞税率は以下の通りです。

納期限の翌日から2ヶ月間は公定歩合+4%(平成24年・25年は年4.3%)

2ヶ月を超えた期間は年14.6%

延滞税率の見直しの内容は以下の通りです。

納期限後2ヶ月は特例基準割合+1%

2ヶ月を超える期間は特例基準割合+7.3%

※「特例基準割合」とは,各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の1215日までに財務大臣が告示する割合に年1%の割合を加算した割合をいいます。現在の短期貸出約定平均金利(約2.0%)に当てはめますと 

3.0%

9.3%

ということになり、現行の4.3%・14.6%から比べると大きく減少をします。

しかし、2ヶ月を超える期間に対しての年9.3%は市中金利を比べてまだまだ高い印象を受けます。

また、延滞税は損金算入や必要経費に計上することが出来ないことに変わりはないので税率が下がってもうっかり納税し忘れたりすることのないよう気をつけましょう。

※上記の改正は,平成2611日以後の期間に対応する延滞税等について適用されます。(水田 裕之)

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