新たな年度を迎えるにあたり、採用や新しい労働者の受け入れをする季節となりました。
規模が小さい会社においては、社長自身が採用の窓口となり直接書類選考や面接をするところもあることでしょう。
毎年新規受け入れをしている会社でも、良い人材を採用したいと考えれば考えるほど選考基準など具体的に決めなければならないことに悩むところです。
厚生労働省のホームページに掲載されている「採用のためのチェックポイント」(http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/saiyo/saiyo2.htm)は会社が応募者に対して、また直接面接の際に、業務に関係のない不適切な質問をしていないかなどをチェックするものです。同省は、チェックポイントの回答で不適切な事項がある場合には最寄りのハローワークで配布する各種啓発資料等を参考に、自社の採用選考システムを見直すよう促しています。
不適切な内容として「本籍」「思想」「家族」について聞くことなどが挙げられています。
ところで、採用において「面接」というスタイルを取り入れている会社も多く、近年では書類選考のみということのほうが珍しいのではないでしょうか。
面接で何気なく聞いていることが“差別”と捉えられることも考えられます。
面接の目的はほとんどの場合、書類ではわかり得ない応募者の人柄などが社風に合っているかどうかを見るためであると思われます。しかし逆の発想では応募者が「自分に合いそうか」「興味があって応募したが(実際自分の意に反するような質問をされたのでは)こちらからお断りしよう」と考えているかもしれません。
会社側は、単に労働者の見極めだけではなく、考え方や経営方針などを説明する場であることも忘れてはなりません。
既出のチェックポイントを改めて見てみると、業務内容には直接関係のない事項が羅列されています。
もちろん、人間同士ですのでたとえ仕事上では良い人材であっても時として関係がうまくいかないこともあるでしょう。しかし、会社として本来の目的にそぐわない質問はするべきではありませんし、面接時の質問事項は慎重に考える必要があります。 (廣島 三津子)