近年は、出産後も働き続ける女性が増えてきました。今後もさらにその傾向が高まっていくことでしょう。
有能な社員が出産を機にやむを得ず退職しなければならなくなった・・ということは会社にとって大変なダメージです。産前は本人が希望すれば直前まで働くことができますが、産後休業は母体を保護するためには絶対的な休業ですので、会社に在籍している限りは与えなければならないものです。また、育児休業においても子を育てていくためには必要です。
上記の休業中、会社は給与を支払う義務はありませんが、社会保険料は毎月発生してしまいます。
雇用保険は給与が支払われなければ発生しませんが、健康保険や厚生年金は会社に在籍している限り(被保険者であれば)給与の支払いがなくても通常通り負担しなければなりません。
中小企業にとって社会保険料の負担はなかなか大きいものです。
育児休業中の社会保険料が労使ともに免除できることをご存知でしょうか?
免除を受けるためには事業主による申出が必要です。申出は現に申出に係る休業をしている間に「育児休業等取得者申出書(新規・延長)」を年金事務所に提出することにより行います。
これら社会保険の優遇措置については申請をしなければ受けられないものがあります。毎月保険料を納めているのですから制度を上手に活用しましょう。
免除される期間は育児休業開始月から育児休業終了月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)です。
※この免除されている期間があっても将来の年金額に影響はありません。
さて、ここで“産前産後休業中は免除にならない”という点に注目してください。
現在の法律においては「育児休業期間中」に社会保険料が免除されるのであり、「産前産後休業中」については保護されていません。また、病気等で休業している場合や介護休業期間についても適用されません。
ただし、今後は「産前産後休業期間中」についても免除されるということが決まっています。 (廣島 三津子)