平成24年8月10日に社会保障と税の一体改革関連法案が成立しましたが、「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」の具体的な施行日が決定しました。
主要項目の概要は以下のとおりです(施行日順)。
平成26年4月
●産休期間の保険料免除
FAX通信5月22日号では、「育児休業期間中」は社会保険料が免除され「産前産後休業期間中」については保護されないということをお伝えしましたが、今後は産前産後休業期間中についても免除されることが決定しました。
●遺族基礎年金の父子家庭への支給
現在は、一定要件の子を持つ妻(母子家庭)や子に支給されていますが、今後は父子家庭にも支給されることとなります。
平成27年10月
●受給資格期間の短縮
現在は将来の年金を受給するために受給資格期間として25年必要ですが、その期間が短縮され、10年となります。一定の経過措置が設けられる予定です。
平成28年10月
●短時間労働者に対する厚生年金、健康保険の適用拡大
事業主として気になるのは、「短時間労働者に対する厚生年金、健康保険の適用拡大」ではないでしょうか。
現行では週30時間を目安に働いている方が、今後は次の要件に該当した場合に適用されます。(学生は適用除外)。
①週20時間以上
②月額賃金88,000円以上(年収106万円以上)
③勤務期間1年以上
ただし、従業員501人以上の企業に適用し、3年以内に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じる(法律に明記)ということになっています。
中小企業においては当分の間直接影響はないものの、今後の動きに目が離せません。
(廣島三津子)