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経営計画を達成するためのもう一つの要素

先のデジタル事務所通信417日号(vol・415)では、銀行から提出を求められて作成する「銀行の為の計画書」と、会社の益々の成長の為に作成する「自社の為の計画書」の違いについて簡単にご説明し、是非とも後者の計画書を作成していただきたいという内容でお伝えしました。

 経営計画には、1年先の自社の姿をイメージして作成する単年度計画から、5年~10年先について作成する中期計画等がありますが、いずれにせよこれらは、誰も知り得ない先の事について数値計画や行動計画を練っていくことになります。数字合わせの計画書ではない為、それ相応の時間と労力がかかる事は避けられません。その為、計画書が出来上がった段階で、一仕事を終えた気持ちになってしまい、それで満足してしまうケースがあります。計画目標を達成出来るかどうかは、計画書の作成完了時点で約80%が決まると言われているようです。まるで上述のケースを肯定している様に聞こえるかもしれませんが、これは計画書の中に経営者の信念がどれだけ入っているかどうか、と言う事を表している例えだと思われます。実現可能性の低い数字合わせの計画を誰が達成したいと思うでしょうか? そんな計画書は作成完了と同時に達成不可能を約束された様なものです。経営者の強い信念のもとで作成された計画書だからこそ、絶対に達成するぞ!という強い思いが生まれるのです。そんな計画書が作成できれば、目標達成に大きく前進したと言えます。そしてもう一つの要素は、その計画書を活用出来るかどうかという事です。

 作成後の計画書の活用につきましては、一つ例を挙げてみます。皆さんがダイエットの計画を立てたとします。ダイエットといえど計画は計画、経営計画と通じるものがあります。そこで皆さんは1年後に体重を10キロ今より減らすという目標を立て、達成したかどうかの確認は1年後に1回のみとします。さて、皆さんは1年間という長い間、苦しいダイエット生活を継続していけるでしょうか?当然個人差はありますが、よほどの強い思いがないと継続は難しいと思います。何故難しいのか。それはダイエットという行動の成果を1年後まで一度も把握しないからです。人は苦しい事、大変な事は極力避けたいと思う傾向が少なからずあると思います。それでも苦しい事に立ち向かい続けるモチベーションを維持するためには、自分の行動に対する成果をこまめに実感する機会が必要です。ダイエットであれば、達成の確認を1年に1度ではなく、3ヶ月に1回、1ヶ月に1回という様に、期間を短く設定する事です。ダイエット開始から1ヶ月後に体重が3キロ減っていれば、努力が報われたと感じ、「あと7キロ、もっと頑張ろう!」・・と再度モチベーションも上がる事でしょう。もちろん良い成果のみではなく、逆に増えてしまうという事だってあるかもしれません。しかし、その場合でも確認が早ければ原因も見つけやすくなり、翌日以降からはその反省を踏まえた行動も取りやすくなる筈です。会社の経営計画も同じです。目標に対してどのタイミングでズレが生じたのか。良いズレであれ悪いズレであれ早期に把握することで、更に力を入れて延ばしていくべきところ、改善すべきところなどに手を打ちやすくなります。計画書は作成して終わりではありません。その後の定期的なモニタリングによる成果の把握とモチベーションの継続が目標達成には不可欠です。

(斎藤 勝)

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