貸借対照表(B/S)は決算日における会社の財政状態を表しています。
損益計算書では一年間の儲けを表し、貸借対照表にはその結果得られた資産が計上されるため、設立以来の会社の状態、つまりは御社の歴史が反映されています。
資産の部 |
負債の部 |
【流動資産】 現金預金 売掛金 受取手形 【固定資産】 建物 車両運搬具 土地
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【流動負債】 買掛金 支払手形 短期借入金 【固定負債】 長期借入金
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純資産の部 |
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資本金 繰越利益剰余金 |
※ 資産の部は資金の運用形態を表す
※ 負債の部及び純資産の部は資金の調達源泉を表す
貸借対照表の構造は上記のように資産の部、負債の部、純資産の部という3つの区分から成り立っています。流動、固定とは、1年以内に動きがあるか否かで分けられます。流動資産に載っている売掛金等は1年以内に入金のあるものであり、流動負債に載っている短期借入金等は1年以内に支払わなければならないもの、ということです。
純資産の部とは以前は資本の部と呼ばれていた部分で、元手である資本金と、設立以来の会社の儲けである利益剰余金で主に構成されています。
貸借対照表の数字を使って会社の安全性を分析することができます。次の2つの指標です。
① 流動比率(%)・・・「流動資産÷流動負債×100」で算出します。
流動資産と流動負債、つまり短期的な動きのあるもの同士を比べることで、会社の支払い能力がわかります。1年以内に期限の来る負債を払いきれるかどうか、ということです。100%以上であるならば支払能力があり、200%以上が理想と言われます。
② 自己資本比率(%)・・・「純資産÷総資産×100」で算出します・
総資産とは負債の部と純資産の部の合計額で資産の総額をいいます。そのうちのどれくらいが自己資本(≒純資産)でまかなわれているかを表わしています。
自己資本比率は会社の安全性が示されます。この比率が高いほど、銀行など他者からの借入れ等が少なく、自社の資金で経営が行われているといえます。つまり安定した状態であるということです。
流動比率が短期的な会社の安全性を見る指標であるのに対し、自己資本比率は長期的な安全性を見る指標です。
各業種の平均は下記のとおりです。
業種 |
建設業 |
製造業 |
流動比率 |
169.0% |
174.0% |
自己資本比率 |
32.2% |
38.5% |
卸売業 |
小売業 |
不動産業 |
150.0% |
136.4% |
144.0% |
31.2% |
25.0% |
31.7% |
※平成24年中小企業実態基本調査(中小企業庁)
より作成
(石田 沙織)