復興特別法人税の1年前倒し廃止
1.東日本大震災からの復興に対する施策として導入された復興特別法人税は、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度において基準法人税額に対し10%の上乗せとして課せられるものです。
平成26年度税制改正により上記の指定期間が平成26年3月31日までとされ、また、課税事業年度が指定期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後2年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度とされました。 これにより復興特別法人税の課税期間が1年短縮されました。
(具体例)
3月決算法人の場合
平成25年3月決算~平成27年3月決算の3年間→平成25年3月決算~平成26年3月決算の2年間
9月決算法人の場合
平成25年9月決算~平成27年9月決算の3年間→平成25年9月決算~平成26年9月決算の2年間
2.復興特別所得税の法人税額からの控除
法人が利子及び配当等に課される復興特別所得税の額は復興特別法人税の額から控除されていますが、復興特別法人税廃止後は復興特別所得税の額を所得税の額とみなして各事業年度の法人税の額から控除し、法人税の額から控除しきれなかった金額があるときはその金額を還付することとされました。
消費税率8%への増税による納税額への影響
平成26年4月1日より消費税率が8%に増税され売上高及び仕入等の支払いは8%の税率により行われていることと思います。
8%の税率により預かった消費税は預かった法人が国に納税することになりますが、納税額はどの程度増加することになるのでしょうか。
単純に計算すると納税額は5%の場合の1.6倍になり、その分お客様から預かった消費税額が社内に蓄積されていることになります。
前年と同額の課税売上、課税仕入を行ったと仮定した場合に年間200万円の納税をしていた場合には年間320万円に、年間500万円の納税をしていた場合には年間800万円にそれぞれ納税額が増加することが予想されます。ただし、予定納税額は前事業年度の消費税額を基に納税することになるため、増加分はまとめて決算期に納税することになります。
3月決算の法人が200万円→320万円に増加する場合
26年11月予定納税 100万円、27年5月確定納税 220万円
3月決算の法人が500万円→800万円に増加する場合
26年8月、26年11月、27年2月予定納税額各125万円、27年5月確定納税425万円
このように決算期に増税分をまとめて納税することになので納税額の予測及び納税資金の確保など早めに準備しておく必要があります。
(水田 裕之)