平成26年5月30日、国税庁は平成25年分の贈与税の申告状況について発表しました。
贈与税の申告書を提出した人員は491,000人で前年分から12.6%増加しました。そのうち、納税申告額のある人員は33万人で前年分から12.8%増加し、申告納税額は1,718億円で前年分から31.1%増加しました。申告人員、納税人員及び申告納税額の全てが増加する結果となりました。消費税増税に伴う住宅の駆け込み需要が贈与の牽引役になった結果ではないかとも想像されます。
1.暦年課税及び相続時精算課税の申告状況
申告書を提出した人員のうち、暦年課税を適用した申告人員は439,000人で、前年分から12.4%増加しました。そのうち、申告納税額のある人員は326,000人で、前年分から12.7%増加し、申告納税額は1,513億円で、前年分から31.7%増加しました。
また、相続時精算課税を適用した申告人員は52,000人で、前年分から13.6%増加しました。そのうち、納税人員は3,453人で前年分から14.9%増加し、申告納税額は205億円で前年分から26.6%増加しました。
(表1)贈与税の申告状況(国税庁HPより抜粋)
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平成24年分 |
平成25年分 |
増減率 |
||||||
申告 人員 |
納税 人員 |
申告 納税額 |
申告 人員 |
納税 人員 |
申告 納税額 |
申告 人員 |
納税 人員 |
申告 納税額 |
|
合計 |
千人 437 |
千人 292 |
億円 1,311 |
千人 491 |
千人 330 |
億円 1,718 |
% +12.6 |
% +12.8 |
% +31.1 |
暦年課税 |
391 |
289 |
1,149 |
439 |
326 |
1,513 |
+12.4 |
+12.7 |
+31.7 |
相続時精算課税 |
46 |
3 |
162 |
52 |
3 |
205 |
+13.6 |
+14.9 |
+26.6 |
2.住宅取得等資金の非課税の申告状況
住宅取得等資金の非課税を適用した申告人員は75,000人で前年分から18.5%増加、住宅取得等資金の金額は6,587億円で、前年分から6.2%増加、住宅取得等資金の非課税の適用を受けた金額は5,767億円で、前年分より1.1%増加しました。
(表2)住宅取得等資金の非課税の申告状況(国税庁HPより抜粋)
平成24年分 |
平成25年分 |
増減率 |
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申告 人員 |
住宅取得等資金の金額 |
非課税を受けた 金額 |
申告人員 |
住宅取得等資金の金額 |
非課税を受けた 金額 |
申告人員 |
住宅取得等資金の金額 |
非課税を受けた 金額 |
千人 64 |
億円 6,201 |
億円 5,703 |
千人 75 |
億円 6,587 |
億円 5,767 |
% +18.5 |
% +6.2 |
% +1.1 |
平成25年分における住宅取得等資金の非課税限度額は、購入等する住宅が一定の省エネ等住宅に該当する場合は1,200万円(平成24年は1,500万円)、それ以外の住宅は700万円(平成24年は1,000万円)であり、制度そのものは縮減されたものの、申告状況を見ると申告人員とその非課税適用金額合計は増加するという結果となりました。
(久保 康高)