今回は10月1日に施行された「ローマ字氏名届」と資格取得時の本人確認等の事務の変更についてお知らせします。
【ローマ字氏名届について】
外国籍の労働者を雇っている会社において、外国籍の方の年金記録の適正な管理のために「ローマ字氏名届」が必要となります。これまでは任意で「アルファベット氏名(変更)届」の提出をすることとされていましたが、「ローマ字氏名届」に関しては原則全員提出です。
対象となるのは以下の届出です。
1.厚生年金保険 被保険者資格取得届
2.厚生年金保険 被保険者氏名変更届
3.国民年金第3号被保険者関係届(資格取得、氏名変更)
【資格取得時の本人確認事務の変更について】
FAX通信10月8日号では、「マイナンバー制度導入へ向けて」と題し、主に事業主様へ向けて今後の対応をQ&A形式でお知らせしました。
制度導入にあたり様々なところで事務処理上の取り扱いがなされますが新規に基礎年金番号を付番する際に住民票コードを収録する関係から、基礎年金番号が不明の人に対し社会保険の資格取得の際に以下のような手続が追加されます。
社会保険の資格取得の書類には、基礎年金番号を記入する欄があります。これは、事業主が年金手帳などから確認し記入することとなっていますが、中には基礎年金番号を持っていなかったり、不明な人がいる場合があります。
今までこのようなときは偽名での資格取得を防ぐため、運転免許証などで本人確認をし、書類の備考欄に確認結果の記入をすることで届出が可能でした。
今後も引き続き事業主による本人確認は必要ですが(10月1日受付分より確認結果の記入は不要)、基礎年金番号が確認できないときの取り扱いとして、住民票上の住所以外に郵便物が届く住所がある場合は被保険者住所欄に「郵便物の届く住所」を記入、備考欄には「住民票上の住所」を記入するということが追加されました。
基礎年金番号がわからない従業員がいることが判明した場合は資格取得届とともに「年金手帳再交付申請書」を提出します。なお、日本年金機構で本人確認ができない場合には書類が一旦返され、健康保険被保険者証の交付ができないこととなっています。
今回お知らせした手続は対象者が限られておりあまり多くはないとは思いますが、いざ手続するときに手間取らないようにこのような取扱いがあることを知っておくと良いでしょう。
(廣島 三津子)