10月17日に通勤手当の非課税限度額を見直すための所得税法施行令の一部改正する政令(政令338号)が公布されました。
最近における通勤手当の支給の状況等を踏まえ、「通勤のため自動車その他の交通用具(自転車等)を使用することを常例とする者」に支給する通勤手当(1ヵ月あたり)の非課税限度額を引き上げました。
この政令は平成26年10月20日から施行されましたが、平成26年4月1日以後に受けるべき通勤手当について適用されます。
なお、次に掲げる通勤手当については改正後の非課税規定は適用されません。
(1) 平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当
(2) 平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの
(3) (1)または(2)の通勤手当の差額として追加支給されるもの
給与に加算する通勤手当や通勤定期券などは、一定限度額まで非課税となり、所得税を計算する支給額に含めなくてよいとされています。
マイカーや自転車で通勤している場合の1ヶ月あたりの非課税限度額は片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じて定められています。
改正後の1ヶ月あたりの非課税限度額は、次のとおりです。
自動車や自転車など
交通用具を使用して
いる人に支給する
通勤手当 |
片道通勤距離 |
改正後(平成26年
4月1以後適用) |
改正前 |
55㎞以上
|
31,600円 |
24,500円 |
|
45km以上55㎞未満
|
28,000円 |
||
35㎞以上45㎞未満
|
24,400円 |
20,900円 |
|
25㎞以上35㎞未満
|
18,700円 |
16,100円 |
|
15㎞以上25㎞未満
|
12,900円 |
11,300円 |
|
10㎞以上15㎞未満
|
7,100円 |
6,500円 |
|
2㎞以上10㎞未満
|
4,200円 |
4,100円 |
|
2㎞未満
|
(全額課税) |
同左 |
この改正については、平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について遡って適用されることになっているため、発表前までに改正前の非課税限度額を超えるものとして課税されていた通勤手当のうち改正後の非課税限度額に達するまでの金額については、平成26年の年末調整の際に精算することとなります。
※年の途中に退職した人など年末調整の際に精算する機会のない人については確定申告により精算することになります。
(水田 裕之)