近年、老舗ネットショップの存在は無視できない存在となっております。それらの老舗は、価格でも知名度でも優位性のないようなモノを「接客」・「企画」・「コンテンツマーケティング」・「お客さんとのコミュニケーション」によって売れるように工夫してきた人達です。
消耗戦に巻き込まれないために進化してきた老舗の考え方は、ヒントの宝庫です。
今号ではネットショップ運営者だけでなく、全ての事業者が現状の消耗戦を脱する上で
役立つヒントが満載の以下の書籍をご紹介させて頂きます。
『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか
ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」』
宣伝会議 仲山進也 著
本書では「究極の対面販売」の道を歩むべきという結論のもと12の実践事例を紹介しています。またどのような視点で取り組むとよいかを、「究極の自動販売機」の道を歩む【一発くん】と「究極の対面販売」の道を歩む【老舗くん】という2人を対比しながら取り上げています。
やってはいけないこととして、以下の5つのルールを挙げており、その一部をご紹介いたします。
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一発くん |
老舗くん |
ルール1 売れているモノを売ってはいけない
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○多く売れるモノを売る |
○ヨソでは買えない価値を売る |
ルール2 ターゲットを攻略しては いけない
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○お客さんとはターゲット ○SEO対策に忙しい ○より刺激的に煽ることに注力する |
○お客さんとは価値観を ○コンテンツ充実に忙しい
○後悔させないことに |
ルール3 競合対策をしては いけない
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○対戦型(魅力の消し合い) ※競合は、打倒の対象 |
○演技型(魅力の追求) ※競合は、自分を磨く砥石 |
ルール4 スケールメリットを強みにしてはいけない |
○価格競争 ○露出競争 ○品揃え競争 ○バックオフィス効率化競争 ○コスト削減競争 |
○大企業にできないこと (手間のかかること)をやる ※体力のある巨人とは戦わない |
ルール5 勝つためのスキルを磨いてはいけない
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○戦う気マンマンなので勝つための技を磨く |
○戦わなくても済むよう工夫する |
現在、当事務所では毎月「経営を考える勉強会」を開催中ですが、本書からも経営を考える上での何らかのヒントを得られるかもしれません。
(久保 康高)