ライバル他社との競争の激しい既存市場を「レッドオーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルーオーシャン(青い海、ライバルのいない領域)」を切り開くべきだと、欧州経営大学院の教授達によって説かれたのが「ブルーオーシャン戦略」である。
レッドオーシャンでは、各社がしのぎを削って、限られたパイを奪い合い、次第にコモディティ化が進み、競争がさらに激しくなる。経営資源の乏しい中小企業にとっては回避したい戦いである。
一方、ブルーオーシャンは、市場として未開拓なので、市場を探すのはそう簡単ではないが、もし開拓できたとすれば、利益の伸びを大いに期待できる魅力的な市場となる。
ブルーオーシャン戦略では、「既存の商品、サービス、市場を見直し、新たな商品、サービス、市場の定義を作り出す」、つまり業界標準等の固定観念から抜け出して、新たな価値を生み出せないかを考える。具体的には次のようなアプローチの方法をとる。
1)ブルーオーシャンを見つける6つのパス
以下の6つの視点から、新たな商品、サービス、市場を生み出すヒントを探る。
① 代替産業に学ぶ
自分の業界が提供している商品の代替品となるものを考え、「なぜ自社の商品ではなく、その代替品が選ばれるのか」を考える。
② 業界内の他の戦略グループから学ぶ
なぜ自社商品ではなく他社商品を選んでいるのか、その理由を調べる。
③ 買い手グループに目を向ける
購買者だけではなく実際の利用者や影響者にも目を向ける。
④ 補完財や補完サービスを見渡す
製品やサービスを補完する業界にも目を向ける
⑤ 機能志向と感性志向を切り替える
機能をアピールしているものは、感性に目を向け、感性をアピールしているものは、機能に目を向けてみる。
⑥ 将来を見通す
業界に影響を及ぼす大きなうねりを捉えていく。
2)アクション・マトリックス
下図のような4つのアクションによってブルーオーシャンを見つけ、自社の商品・サービスを生まれ変わらせることができる。
(取り除く)業界常識として備わっているもののうち、取り除くべきものは何か |
(増やす)業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か |
(減らす)業界標準と比べて思いっきり減らすべき要素は何か |
(付け加える)業界でこれまで提供されていなかったもので今後付け加えるものは何か |
(廣島 清量)