平成27年4月24日に「中小企業白書」並びに「小規模企業白書」が閣議決定され、
「小規模企業白書」は小規模企業振興基本法に基づく第一回目の公表となりました。
●中小企業基本法による小規模事業者の定義
業種 |
常時雇用する従業員 |
製造業・その他 |
20人以下 |
卸売業・サービス業・小売業 |
5人以下 |
我が国の企業者数は大企業1.1万者、中小企業385.3万者(うち小規模事業者334.3万者)であり、小規模事業者は企業者数全体の86.5%、中小企業者の86.7%を占めている。
●2015年版小規模企業白書のポイント
[第一部] 小規模事業者の構造分析
(第1章)小規模事業者の業種構成の分析、従業者に占める親族の割合など
(第2章)より中期的な観点から、小規模事業者の事業者数の推移、事業の好不調の時期などの経年的同行についての分析
(第3章)小規模事業者の販路開拓のための取組や、新しい働き方として注目されているフリーランスの実態について紹介
(第4章)小規模事業者の地域での関わり合いについて分析
[第二部] 時代の変化にほんろうされながらも地域とともにたくましく活動している様々な小規模事業者や支援機関の42の取組事例の紹介
●第一部第3章の小規模事業者の販路開拓のための取組の分析結果は以下の通り
販路開拓に向けて実際に取り組んでいる取組(複数回答)
営業能力の高い人材の新規採用 |
7.9 |
ネット販売の実施 |
10.7 |
自社の技術・ノウハウを生かした新商品・サービスの開発・投入 |
25.8 |
現在の主要な販売地域外への宣伝・広告(ポスティング、折り込み広告等) |
21.3 |
顧客・市場ニーズを踏まえた新商品・サービスの開発・投入 |
23.7 |
対面販売における顧客への説明・コミュニケーションの充実 |
31.3 |
自社の製品・商品の市場分析 |
15.0 |
新しい顧客への直接訪問・売り込み |
31.7 |
現在の社員の営業能力の向上 |
22.4 |
訪問販売の実施 |
6.7 |
ホームページ、Eメールを活用した情報発信 |
24.4 |
得に取り組んでいない |
49.5 |
市場分析の結果に基づく商品の開発・提供 |
11.8 |
その他 |
18.1 |
小規模事業者が実際にどのような取組を行っているかを聞いたものである。回答のうち最も多いものは、「新しい顧客への直接訪問・売り込み」、「対面販売における顧客への説明・コミュニケーションの充実」となっている。
小規模事業者は、販路開拓に向けて、コミュニケーションを重視した営業活動に取り組んでいることが分かる。
(廣島 清量)