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労働紛争 解決に至るまでの傾向について

労働に関するトラブルは、どの会社にも大なり小なり必ずあるのではないでしょうか?社内のIT化により、コミュニケーション手段が多様化している事などから、フェイス・トゥ・フェイスでのコミュニケーション不足を実感している経営者も多いかと思います。意思疎通がうまくいかなくなる事は、将来的な労使間トラブルに発展する可能性もあり、頭の痛い問題です。

もちろん会社としては、トラブルが起こらない様な体制を事前に整えておく必要があることは言うまでもありませんが、とは言え結局は人と人、望まずともトラブルになってしまう事もあります。

 

厚生労働省は平成27年6月、ウェブサイト「個別労働関係紛争の解決状況」を公開しました。日本では、解雇や労働条件の引き下げといった労働者と事業主との間のトラブルが起きた場合、「あっせん 」「労働審判 」「民事訴訟での和解 」の3つの解決手段が活用されていますが、当該ウェブサイトでは、「労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析」の調査・分析結果が掲載されています。

 

全体的な傾向としましては、以下のとおりです。

『解決方法の傾向』

調査結果を見てみますと、労働問題が発生した場合、「あっせん」「労働審判」「和解」ともに、90%以上は金銭的な解決手段がとられている様です。

 

『制度利用期間の傾向』

あっせんは、2か月以内、審判は半年以内、和解については半年以上の期間を要するケースが多い様です。

 

『金銭解決の金額の傾向』

解決金額の分布は幅広いものの、「あっせん」は比較的低額で解決する傾向がある一方、審判及び和解は高額になる傾向がある様です。

 

『事案ごとに、解決状況の絞り込み検索が可能に』

その他、「解決状況確認ツール」として、事案の内容・性別・雇用形態など・・全8項目の中から、条件を絞り込んで利用制度ごとの解決状況を検索する事が可能です。

 

 労働に関するトラブルは、どんな会社にとっても他人事ではありません。周りで起こっている労働問題がどのような手段・期間・金額で解決されているか? 一度参考までにご覧になってみてはいかがでしょうか?                                      

(斎藤 勝)

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