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小規模企業共済制度の改正

小規模企業共済とは、小規模な個人事業主や法人の役員等を対象とした退職金制度で、毎月一定の金額を共済に掛金として積立て、退職した場合などに解約し、それまでの積み立てた掛け金に応じた共済金を受け取ることができ、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

掛け金は月1,000円~70,000円の間で自由に設定することが可能(500円刻み)であるため、無理のない範囲で積み立てることができます。

小規模企業共済の掛け金は、全額が経費(所得控除)となるため、貯金のつもりで積立てておくと、税金が安くなるというメリットがあります。

ただし、積立時は節税になりますが、解約時には税金を払うことになる場合があります。

積立時には節税できるが、戻ってきた共済金に課税される。つまり小規模企業共済は「課税を先送りにできる制度」なのだということは認識しておく必要があります。

しかし、受け取る共済金(解約手当金)は、退職所得になるので、税負担が大幅に軽くなります。

※解約の条件によっては公的年金の雑所得や一時所得になる場合もあります。

 

この小規模企業共済制度は、より多くの小規模企業の経営者の方が利用しやすくなるような制度の利便性の向上を目的に、平成28年4月1日から制度改正されます。

<主な改正内容>

1)会社役員等の退任(疾病、負傷、死亡、解散等を除く)のうち、退任日において65歳以上の場合の共済金額が引き上げられます。

2)共済金を一括でなく、10年又は15年の期間に分割して受け取る場合の支給回数が現在の年4回から年6回となります。

3)共済契約者が亡くなった場合に共済金を受け取れる遺族の範囲にひ孫、甥、姪が追加されます。

4)加入時の手続きの際の申込金(現金)が不要になります。

5)掛金増額の手続きの際の申込金(現金)が不要になります。

6)掛金減額の手続きの際にこれまで必要とされていた「委託機関(金融機関等)による理由の確認」が不要になり、理由を問わず希望に応じて減額をすることができるようになります。

7)共済契約者が12ヶ月以上の掛金を滞納した場合、共済契約が解除されることになっていますが、災害等やむを得ない事情によって生じた掛金の滞納の場合、共済契約を継続できることになります。

8)払い込んだ掛金の範囲内で、事業資金または事業に関連する資金を借り入れることができます。この貸付けの限度額の上限が1000万円から2000万円引き上げられます。また、会社の解散を円滑に行うための廃業準備資金を貸付ける「廃業準備貸付け」制度が、新たに創設されました。

(水田 裕之)

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