経済産業省によると訪日外国人旅行者数は、2015年には約2,000万人に達しました。さらなる観光立国を実現するべく東京オリンピックが開催される2020年には4,000万人、2030年には6,000万人に増やす新しい目標値が設定されています。小売業界においても免税店が約29,000店(平成27年10月1日時点)と半年間で約1万店以上が増加し、インバウンド需要の取込みの促進が日本経済としても重要となってきているところです。
まず免税店で免除になる税金は、「消費税」です。例えば、外国人観光客が日本に観光に来てお土産としてお酒やたばこを買った場合は、消費税の課税対象にはなりません。ただし、一定の手続きを踏んだ免税店(Tax-Freeと書かれたショップ)で購入した場合のみです。※Duty-Free Shopは、消費税だけでなく酒税やたばこ税や関税も免税となっています。
免税店のメリットを受けられるのは外国人旅行者(非居住者)と集客・販促・宣伝に繋がる店舗の双方です。
自社でも免税店の登録をしたら面白いのではないかと思われている経営者も多いことと思いますので、免税店になる方法を以下にご紹介いたします。ここでは一般型消費税免税店についてQ&A方式でご説明いたします。
Q.どこに申請するの?
A.納税地を所轄する税務署に申請します。店舗ごとに申請することが必要です。
Q.何を持っていけばよいの?
A.「輸出物品販売場許可申請書(一般型用)」に以下の5つの資料を添付します。
▼許認可を受けようとする販売場の見取図及び免税販売手続カウンターの写真
▼免税販売手続マニュアル
▼申請者の事業内容が確認できる資料(会社案内やホームページ掲載情報など)
▼許可を受けようとする販売場の取扱商品が確認できる資料
▼許可を受けようとする販売場において作成する購入記録票のサンプル
Q.何を審査するの?
A.許可要件は次の3項目です。
1.店舗がきちんと消費税を納付していること(課税事業者に限ります。)。
2.店舗が外国人旅行者の多い地域にあること。
3.店舗が外国人旅行者に応対できる店員を配置し設備を備えていること。
将来的に海外への輸出を視野に入れておられる小売事業者の方々は、手始めに免税店になり消費動向調査をしてから事業展開してみてはいかがでしょうか。
(久保 康高)