先月4月の熊本地震により被害を受けられた方を支援するために、寄附をされた方もいらっしゃると思います。国税庁HPに掲載された義援金や寄付金(以下「義援金」と言います)を支払った場合の税務上の取扱いを個人、法人別にまとめました。
支払先 |
個人の取扱い |
法人の取扱い |
熊本県下や大分県下の災害対策本部 |
「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となる |
「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金となる |
日本赤十字社の「平成28 年熊本地震災害義援金」口座 (注1) |
「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となる |
「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金となる |
被災地域の救援活動や被災者への救護活動を行っているNPO法人(そのNPO法人が認定NPO法人に該当する場合)(注2) |
「認定NPO法人等に対する寄附金」として支払った義援金は、寄附金控除(所得控除)又は寄附金特別控除(税額控除)の対象となる(選択適用) |
「特定公益増進法人に対する寄附金」に該当し、損金算入限度額の範囲内で損金となる |
(注1)日本赤十字社に対して支払った義援金であっても、日本赤十字社の事業資金として使用されるなど、最終的に地方公共団体に拠出されるものでないもの(財務大臣が指定する寄附金に該当しないものに限ります。)については、損金算入限度額の範囲内で損金となります。
(注2)認定NPO法人等以外の法人等に対して義援金を支払った場合には、支払先の区分に応じて取扱いが異なります。
※最終的に地方公共団体に拠出されるものでないものを除く(一定の範囲内で損金算入)
また、 確定申告を行うにあたっては寄附したことを証する書類が必要になりますので、下記の書類を捨てずに保管しておきましょう。
① 熊本県下や大分県下の災害対策本部が発行する受領証
② 募金団体の預り証
③ 郵便振替で支払った場合の半券(受領証)(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限ります。)
④ 銀行振込みで支払った場合の振込票の控え(その振込口座が義援金の受付専用口座である場合に限ります。)
(石田 沙織)