いま、世間を騒がせている消費税の軽減税率導入。対象となる品目は、酒類・外食を除く食料品などが該当しており、テイクアウト販売を行っている飲食店(テイクアウト8%・店内10%)や、酒類を扱っている食料品小売業者(酒類10%・食品8%)などは複数の税率による売上・仕入管理が必要になる事が想定されます。そんな中、消費税軽減税率制度(複数税率)への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等が、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修などを行うにあたってかかる経費の一部を補助するという制度が、平成28年4月1日より申請がスタートしております。消費税率の10%への引き上げ及び軽減税率制度の導入時期は平成31年10月に延期になりましたが、この補助金制度については今後の取扱いも含め今から注目しておきたいものです。
今現在の補助内容は、A型とB型の2つに大きくわかれ、更にA型は1型~4型、B型は1型~2型にわかれています。
~A型「複数税率対応レジの導入等支援」~
1:レジ導入型 2:レジ改修型 3:モバイルPOSレジシステム 4:POSレジシステム(全て事後申請)
補助額はレジ1台あたり20万円、複数台申請については1事業者あたり200万が上限であり、補助率は2/3です。※一部例外あり
~B型「受発注システムの改修等支援」~
1:受発注システム指定事業者改修型(事後申請) 2:受発注システム自己導入型(事前申請)
補助額は小売事業者の発注システムが1,000万、卸売事業者の場合は150万円が上限となっており、補助率は改修入替費用の2/3です。
※B-1型は、専門知識を必要とするシステムの改修・入替のため、「指定事業者による代理申請」が原則で、システムベンダー等の指定事業者が申請者に代わって申請する事になっており、B-2型は事前に事務局に登録された複数の機能要件を満たしたパッケージ製品・サービスが補助対象です。
消費税率の10%への引き上げ及び軽減税率制度の導入は3年後になりますが、注文はタブレットで・・、アプリとして持ち運びができて導入費用が少ない「Airレジ」・・、スーパーでは客が自分で会計するセルフレジ・・。食料品を扱う業種を取り巻くIT環境も日々進化しています。今、あたり前の事が、数年先にはそうでなくなっているかもしれない時代。3年後の未来には、何があたり前になっているのでしょうか。
今、補助金を申請して導入したレジやシステムも、その頃には既に「昔のもの」になってしまっているのかもしれません。今後の動向に注意が必要です。
(斎藤 勝)