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社会保険加入勧奨の実態

法人ナンバー制度の導入により、近頃では年金事務所による社会保険未加入企業への加入勧奨の接触事例を顧問先よりお話を伺うことがあります。加入勧奨は平成27年度より厚生労働省の施策として本格的にスタートしており、その手順は段階を追って進められています。

まず、年金事務所は未加入企業を特定すると外部業者を使い、文書や電話で加入を要請する。次の段階では直接訪問により加入勧奨をするようです。

 

加入勧奨を経て、会社が自主的に社会保険へ加入した場合、保険料は遡って請求されないという話もあります。

一方で、職権による強制加入となった場合、最大2年まで遡って社会保険に加入することとなり、過去未加入分の保険料も納付しなければならないと言われています。

しかしながら、無保険ならともかく社会保険に加入はしていなくても多くの方は国民健康保険で医療を受け、国民年金保険料を支払うことで年金も納めています。過去2年間を遡って手続き変更を行うことは現実的ではないと感じます。

年金事務所ごと、時には担当官ごとに裁量に差があることもよく聞きますので一貫性のない勧奨の様子です。

 

そして、会社に社会保険が適用するからといって、全ての役員や社員が加入の対象となるわけではありません。

例えば役員が加入の対象外になる場合の例を2つ

第1は、役員報酬が出ていない場合。

第2は、報酬が出ている場合であっても非常勤であり「取締役会に出ているだけ」や「週に2~3日来て補助的な業務しか行わない」などの場合です。

社員で加入の対象外になるのは

パート、アルバイトであり、1日または1週間の労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、通常の労働者の分の4分の3未満であれば加入対象から外れます(例えば1カ月の勤務日数15日未満および1週間の所定労働時間が30時間未満の勤務です)。

 

国民健康保険料・国民年金保険料と違い、健康保険料・厚生年金保険料は、事業主と労働者が折半で負担するのは従業員側からすると福利厚生の一環と感じることもできそうですが、保険料負担によるコストアップは多くの会社にとって、加入を敬遠する要因になるかと思います。現在、社会保険に加入しておらず勧奨があった場合、年金事務所への対応をお手伝いいたしますので、ひろしま会計事務所までご相談ください。

社会保険労務士 長壁 薫

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